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会計ジロウ法人 発売開始について

ブログ 会計ジロウ法人 発売開始について

2018年3月に発売開始した会計ジロウですが、青色申告版「会計ジロウ」に加えて、法人版「会計ジロウ法人」を販売開始することができました。関係者の皆様、ご協力ありがとうございました。

青色申告版は消費税を「税込」でしか扱うことができませんでした。このため課税事業者で青色申告している方にはお使いいただけませんでした。法人版は、税込入力方式は青色版と同じですが、消費税を税抜で決算書を作成できる機能が実装されています。課税事業者、非課税事業者のどちらの場合でもお使い頂ける仕様になっています。決算書の形式は青色とは異なりますが青色申告の個人事業主の方にもお使いいただけます。なんといっても最大の特徴は消費税の自動計算&シミュレーションです。

治郎吉商店では、従来から税込入力、税抜決算書で法人税を申告してきました。簡易課税を検討することもできますが適用していません。売上が1千万円以上5千万円以下なのです。当社の場合、会計ソフトには次のような機能が必要と考えました。(Aクラス)

A1)金額を税込で確認できること
A2)税抜のBS、PLを確認できること
A3)消費税計算書

このほかに目標とした機能として次があります。(Bクラス)

B1)複数年のデータを一つのファイルに保持して、過去の仕訳を確認できる
B2)「あとで確認」の機能を設けて、未確定な仕訳があることをわかるようにする
B3)経営分析のために損益推移表を出力できるようにする
B4)BS、PL、損益推移表の項目は編集することができる

今回のリリースには間に合いませんでしたが次のもあります。(Cクラス)

C1)減価償却費の月額を自動仕訳

これらのほかに、会計ソフトとして必須な機能があります。(Zクラス)エクセルのテンプレートでは実装できない機能です。

Z1)借方貸方の合計があっていない伝票は登録できない
Z2)借方貸方の合計があっていない開始残高は登録できない
Z3)借方貸方の合計があっていない仕訳データはインポートできない
Z4)勘定科目は科目コードで指定、選択画面で選択も可能

4D v17のオブジェクト、v15プロジェクトからの移行時の注意

4D v17のオブジェクト、v15プロジェクトからの移行時の注意

オブジェクト型を使う際に気をつけたいことに遭遇したので記す。今回はv15以前からのプロジェクトをv17に変換したケース。

当社では「JCL4D」という共通ライブラリを用意していて、v15以降でサポートされたMETHOD xxコマンドを使って、プロジェクトに読み込んで利用している。JCL4Dは各メソッドをテキストファイルに書き出して、GitHubにて管理している。

最近このJCL4D v17版を作成した。以下「JCL4Dv17」にはフォームをリサイズする機能が含まれている。ユーザがウインドウをリサイズした際に、4Dの拡大/縮小的な動きではなく、ボタン、リストボックス、フィールドの縦横が拡大/縮小、フォントサイズも大きくなったり小さくなったりする、ズームのような機能だ。ユーザがリサイズした際のズーム比率や、フォーム上のオブジェクトの座標を覚えておいて、あとでセットするために、オブジェクト型の変数を構造体のように使って実装した。この機能をv15から変換したプロジェクトにも読み込もうとしたところ、今回のケースに遭遇。

データベース設定の互換性のところに次のオプションがある。v15から変換したプロジェクトでは、このチェックは外れている。

□ オブジェクト記法を使用してオブジェクトのプロパティにアクセスする

JCL4Dv17はこのチェックがついていることを前提にしているので、どの道チェックすることになる。チェックしてからメソッドをインポートすれば問題は起こらなかった。うっかりチェックを外した状態で、自社製インポートメソッドJCL_A_method_importを実行すると、オブジェクト参照のところに変なゴミが入る。外部テキストファイルからメソッドを読み込んでMETHOD SET CODEするメソッドだ。問題の箇所を一部抜粋したのが次のコード(A)。

このコードでは、親メソッドから第三引数にオブジェクトのポインタをもらって、そのフィールドを参照している。「$inObjPtr->rowsHeight」となっていたコードにドット(.)が挿入されて「$inObjPtr->.rowsHeight」になっている。もとの外部テキストファイルのコードは次(B)。


C_POINTER($3;$inObjPtr)  //リストボックス情報オブジェクト
$inObjPtr:=$3

  //行の高さ
C_LONGINT($rowsHeight)
$rowsHeight:=($inObjPtr->rowsHeight)*$ratio
LISTBOX SET ROWS HEIGHT(*;$inListbox;$rowsHeight)

データベース設定で「オブジェクト記法を使用してオブジェクトのプロパティにアクセスする」にチェックしてから、あらためて外部テキストファイルからメソッドを読み込んでMETHOD SET CODEしてみたのが次のコード(C)。

「$inObjPtr->」の後ろのプロパティ名が認識されて、カラーシンタックスが正しく適用されている。ドットは挿入されていない。

「$inObjPtr->」は実体であるため、実体にドットを付けてobject.propertyという形に勝手に変更されてしまったのだろうか。METHOD SET CODEの仕様なのか、別のコマンドによるものか確認はしていない。

いずれにしてもv17以降では、そもそもオブジェクト型の変数は、もともとポインタのようなものだから、引数に渡す際にポインタにする必要がない。C_TEXTやC_LONGINT型の変数と同じように、オブジェクト型のまま渡せば良くて、参照渡しなのでプロパティに値を代入して戻すこともできる。

だから上記のコードも次のように変更するべきだ。

【注意】この表記はv15以前ではサポートされていない。

4D v17のオブジェクト、v16プロジェクトからの移行時の注意

4D v17のオブジェクト、v16プロジェクトからの移行時の注意

v16からv17に移行したプロジェクトの場合、データベース設定の「互換性」に次の項目がある。

1)オブジェクト記法を使用してオブジェクトのプロパティにアクセスする
2)オブジェクトではISO日付フォーマットの代わりに日付型を使用する

v17で新規作成したプロジェクトにこれらの項目はない。
オブジェクト型の変数はv15から使えていて、その当時は次のコード1のような使い方だった。

コード1:
C_OBJECT($obj)
OB Set($obj;”sl_id”;String(1))

$sl_id:=Num(OB Get($obj;”sl_id”))

ところがv17では次のコード2のように使う。

コード2:
C_OBJECT($obj)
$obj:=New object
$obj.sl_id:=1


$sl_id:=$obj.sl_id

両方とも使ってみたが生産性が違う。単なる表記の違いではなく機能が違う。コード1では、オブジェクトのプロパティに”sl_id”のように文字列を指定しているが、ダブルクオーツで囲むためカラーシンタックスが働かない。カッコ、ダブルクオーツ、セミコロンで囲まれているためか、フィールド名が違っていても気づきにくい。また、一部サポートされていないデータ型があるため、当社では上記のようにすべて文字列としてプロパティに値を代入していた。その結果としてオブジェクト内部ではデータ型は失われていたことになる。型チェックは働かない。

コード2では、ドットに続く表記はフィールド名になる。カラーシンタックスが働く。オブジェクト内部でデータ型が維持される。型チェックが働く。いいことしかない。

OB Setの記述を見つけたら、今のうちに全部置き換えておこう。OB Setは、コードの見た目も良くないし、v15からの実装という新しめのコマンドながら、すぐに博物館行きになりそうだ。ちなみにOB Setでセットされたプロパティの内容は、ドット表記でも参照できるし、その逆も可能だが、混在はやめたほうが良い。たいした手間ではないのでドット表記に統一しておくことをおすすめする。

 

リストボックスのプロパティで「セレクションハイライトを非表示」4D v17

リストボックスのプロパティで「セレクションハイライトを非表示」4D v17

行背景色配列(バックグラウンドカラー)、行フォントカラー配列(フォントカラー)を与えると、セレクションハイライト中のフォントカラーを制御できない、という問題が、v17で回避できるようになった。

v16以前は、次の図のように、選択行はOSで指定された色になり、文字色は黒、または指定した色になっていた。

文字色が反転しないため、これではハイライト色と文字色が近くなってしまって読みにくい。v17のプロパティで次の設定項目「セレクションハイライトを非表示」が追加された。これをチェックしてハイライトを自力で処理できる。自力ハイライトと呼ぶ。

図のようにリストボックスのプロパティで、次の3ヶ所に注目。

1)「セレクションハイライトを非表示」にチェック
2)「行背景色配列」に「vA01TB_lstBR_BakColor」を指定
3)「行フォントカラー配列」に「vA01TB_lstBR_FontColor」を指定
4)リストボックスのOn Loadで配列に色を代入
5)リストボックスのOn Selection changeで選択された行の背景色とフォントカラーを代入

すると次のようになる。

・色つきの行:文字が緑で背景が黄色 → 自力ハイライト:文字が黄色で背景が緑
・色無しの行:文字が黒で背景が白 → 自力ハイライト:文字が白で、背景が緑

勝手にハイライトしてくれないので、色を付けていない行も含めて、選択行が変化したときに常に配列に色を代入する必要がある。色は、配列に代入したときに適用されてリストボックスに表示される。

 

メソッドエディタから4D COC CENTER ランゲージリファレンスを開く(v17)

4D オンラインマニュアル

メソッドエディタから4D COC CENTER ランゲージリファレンスを開く(v17)

v16以前からの仕様なので、いまさらのネタではありますが、何度もひっかかっているので書いておきます。

メソッドエディタで、4Dコマンドのリファレンスが見たくなるとき、optionキーとcommandキーを押しながらコマンド名をクリックすると、クリックしたコマンドのリファレンスがブラウザーに表示される。v17で作成したプロジェクトの場合はv17のランゲージリファレンスが表示される。と、ここまではOK。

問題はv16以前から移行してきたプロジェクト。option + commandクリックすると、v16のランゲージリファレンスが表示される。たいていの場合はv16のリファレンスが開いても内容がほぼ同じなので事足りるが、新しく追加されたコマンドの周辺を探っている場合、v17で新しく追加されたコマンドがないので、ヒットしなかったり、v16の古い情報が表示されたりして不便。ヒットしなかった場合はマニュアルサイトのv16のトップが表示される。

原因は、4Dの環境設定にある。v16から移行したプロジェクトでは、「一般」の「ドキュメントの場所」に「Webサイト:」の項目があって、これがv16のサイトを指したままになっている。

ここをv17に修正すればよい。